毎日の運用状況を確認するときにチャート画面を見ている方も多いと思いますが、そこに現れている「ローソク足」の意味は理解できているでしょうか。
長期的な運用を基本とする自動売買運用やスワップ投資では、チャートを見たテクニカル分析はそれほど重要視されませんが、それでもローソク足の見方を知っていてチャートを見ているのと、知らないで見ているのでは(主に気持ちが)違ってきます。
この記事では、チャートを見る上で基本となるローソク足の基本の形を解説します。他にも種類はありますが、ここに記載する基本がわかっていれば他もだいたいイメージがつくことでしょう。
ちなみに、ローソク足が見れるようになったからと言って、投資で利益を上げられるようになるとは限りません。個人的な感想では、むしろ素人が少しかじった程度のテクニカル分析を元にして取引を行った場合、ほとんど損をすることでしょう。(経験談)
ローソク足を知っていることの利点は、毎日のチャート見たときに「ちょっと楽しくなる」ことだと思ってください。
「お、こんな形のローソク足しているってことは、次はこう動くのかな?」という予測を立てて、それを何もせずに見守って答え合わせするという経験を数年積んだ後であれば、利益につながるスキルになるかもしれません。
ローソク足の基本
ローソク足は一定の期間の「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの値動きを示したものです。
見た目がローソクのように見えることからローソク足と呼ばれます。(言うほどローソクに似てるかな…?)
ローソク足には「実体」「上ヒゲ」「下ヒゲ」の3つの見るべきポイントがあり、それぞれの長さや形により別々の名称が付けられています。
以下に挙げる6種類のローソク足は、最も一般的なローソク足の種類です。それぞれで買・売のサインがありますので、一つずつ確認していきましょう。
①陽の丸坊主
上下ともヒゲがない陽線のことを、「陽の丸坊主」と呼びます。
開始直後から上昇し続けていることを表しており、上昇への強い圧力を示しています。
トレンドの転換前に見られることが多く、安値圏で出現すれば上昇トレンドへの変化、逆に高値圏で出現すれば反転して下降する可能性もあるので注意しましょう。
②陽の大引け坊主
上ヒゲがない陽線のことを、「陽の大引け坊主」と呼びます。
開始後に少し下げた後、終値に向けて上昇を続けたことを示しており、「①陽の丸坊主」の次に上昇圧力が強いとされています。下ヒゲが短いほど、強い買いサインになります。
ただし、高値付近で出現すると、売りを思案していた投資家たちによる利確売りが入りやすく、その後が下げやすいので注意が必要です。
③陽の寄り付き坊主
下ヒゲがない陽線のことを、「陽の寄り付き坊主」と呼びます。
開始後に高値を付けた後、少しだけ下げたことを示しており、買いサインには含まれますが上記の「①陽の丸坊主」「②陽の大引け坊主」と比べたら少し弱いサインとされています。
とはいえ、安値圏で出現した場合はその後上昇することが多く、登場するタイミングによっては強い買サインと言えます。
④陰の丸坊主
上下ともヒゲがない陰線のことを、「陰の丸坊主」と呼びます。
開始直後から下落し続けていることを表しており、下落への強い圧力を示しています。
引き続き下落が続くことが多いですが、押し目買いの量によっては、直後に一時的に反発することもあるので注意が必要です。
⑤陰の大引け坊主
下ヒゲがない陰線のことを、「陰の大引け坊主」と呼びます。
開始後に少し上げたものの、その後終値に向けて下落を続けたことを示しています。「④陰の丸坊主」の次に下落圧力が強いとされています。
⑥陰の寄り付き坊主
下ヒゲのみが出ている陰線のことを、「陰の寄り付き坊主」と呼びます。
開始後から下落し、終値少しだけ下げ幅を縮めたことを示しており、引き続き下落が続くサインとされます。
ただし、安値圏で出現した場合は、終値付近の反発を継続し、上昇トレンドの転換点になる場合もあるため注意が必要です。
終わりに
上記の6パターンを覚えておけば、開始から終わりまでの上昇・下落の流れがイメージできると思いますので、ローソク足の続き方やヒゲの長さから相場の勢いの方向感がわかるのではないでしょうか。
また、1分足や、1時間足、日足、月足など、それぞれの時間軸でそれぞれのローソク足ができますが、基本的には、短い時間足のローソク足になるほどセオリー通りの動きにならないことは覚えておいてください。