お疲れ様です。みやすぐです。
この記事を執筆している2022/01/10時点で、メキシコペソ円が教科書に載ってるお手本のような形で上昇トレンドを形成しています。
現状は下値しっかりのチャートに見えますが、メキシコペソは新興国通貨に数えられているとおり、長期的には右肩下がりであるということを忘れてはいけません。
今回は、そんな上昇トレンド真っ最中のメキシコペソ円の上値の目途と利確タイミングについて、専門用語のない「やわらか表現」だけで検討していきます。
放ったらかしだったメキシコペソ
メキシコペソはトルコリラに次ぐ高いスワップポイントを得られる通貨として有名です。トルコリラほどリスクが高い印象もないため、外貨預金として保有している人も多いのではないでしょうか。
私自身も、スワップ狙いのメキシコペソ円投資は2018年の2月から開始しており、開始当初のメキシコペソ円は5.8円付近でした。それからコロナショックで一時4.2円付近まで下げました(この時は気絶してました)が、目先では5.6円まで回復しているという状況です。
ここまでずーっと、何もせずに買いポジションを保有してきているため、そこそこのスワップもついています。
新興国通貨でありながら、ここまで戻っただけHAPPYとも言えますね。
あんまり欲張らないほうが良いのかな?
直近の高値はメキシコペソの利確タイミングとも考えており、今回は「どこまで引っ張って利確をするのが良いか」を少し考えていきましょう。
ちなみに、メキシコペソ円スワップの「理想」と「現実」については、以下の記事を参照ください。ちょっと古い記事ですが、相場にタダ飯はないってことが良くわかると思います(笑)
美しい上昇トレンド
さて、そんなこんなで放置されていたにも関わらず、しっかり戻ってきてくれたメキシコペソさんなのですが、今現在とても良い形で上昇トレンドを形成してくれています。

上昇の理由は?
メキシコペソ円の上昇の理由は大きく2つあると考えています。
そのひとつが、先年から続く「原油高」。
メキシコは原油価格に通貨価格が左右される資源国の一つです。カナダ等と同じですね。
1月4日、「OPECプラス(原油算出国の集まり)」は偉い人を集めた会合を開き、「2月も引き続きの増産体制を維持する」ことを決定しました。
市場では「更なる増産をして、供給過多になると原油価格下がるんじゃないか?」という不安が広がっていましたが、「これまでどおり」という決定を受けて安心したようで、米WTI原油先物(※)は昨年11月26日以来の高値をつけました。
※米WTI原油先物 :原油価格はこれを見ればわかる!って感じの銘柄
原油価格の上昇はメキシコペソにとっては追い風ですので、これを受けてまた上値トライとなっているわけです。
ちなみにカナダドル円のチャート見ても、同じような感じになっています。
値動きの参考としてわかりやすくて良いですね。
そして、上昇理由のもうひとつは、こちらも昨年から続く政策金利の引き上げです。
BOM(メキシコ中銀)は直近まで5回連続で利上げを行っていますが、まだまだインフレ率は目標値を大きく上回っており、今後も追加利上げを行って経済引き締めを行う可能性があると見られています。
追加利上げが想定されていることはメキシコペソにとっての安心材料になっており、これも直近の上昇トレンドを支える要因になっています。
トルコはこれの真逆の方針を出して暴落してますよね。
上値の目途はどこ?
今の上昇トレンドが落ち着くとすれば、上記に挙げた「原油高」と「利上げ」が一息つく頃と考えられます。
「原油高」については、石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)が少し前に以下のようなことを言っています。
この発言からもわかるとおり、現在の原油価格の高騰はコロナ後の経済回復の重しとなっていると危険視されているようです。
世界各国からそう言われてしまうとOPECとしても放っておくわけにいかないでしょうから、供給量を上げて価格を落ち着ける必要が出てくるわけで、やむなく増産体制を強化する判断を行うときが来るでしょう。
そうなると、OPECが増産体制を強化する⇒供給が増えた原油価格が下がる⇒資源国通貨の価格が下がる。という連鎖が発生し、メキシコペソの価格上昇が止められる要因になってくると考えられます。
続いて、「利上げ」についてですが、こちらはインフレ率の低下などで現状続いている利上げ実施が止まる見込みが立つと、 メキシコペソの価格上昇が止められる要因になってくるはずです。
メキシコのインフレ目標は3%とされているため(いまは4%)、今後の発表でインフレ率3%に収まってくるような結果が出るとそこが上値となってくるかもしれません。
加えて、これらの要因とは別の心理的ラインとして、目先では5.75円、そこを抜けると6円という厚いラインがありますのでその付近の値動きにも注意が必要です。
まとめると、メキシコペソ円の上値については、以下の3つの出来事の発生に注意するのが良さそうです。
- OPECが増産体制の強化を発表したとき
- メキシコのインフレ率が3%に収まるような発表がされたとき
- 心理的ラインの5.75円、あるいは6円でガッツリ跳ね返されたとき
タイムリーな情報察知が肝要
しばらくの間は、現状のメキシコペソ円の上昇トレンドを止める要因がどこで出てくるかをタイムリーに抑えることが重要そうです。
また、別のリスクとして、アメリカが近々利上げに動く可能性があり、それを受けた各国の通貨に動きにも注意が必要です。メキシコペソへの影響がどの程度かを予測するのは難しいですが、大きくドルに流れる動きになるとそれなりに影響はありそうです。
欲張らない利確ラインかなぁ…(欲張り)
「たい焼きの頭と尻尾はくれてやれ」という格言もありますし、あんまり欲張った攻めはしないほうが良いかもしれませんね。
以上、よろしくおねがいいたします。