トルコリラが揺れています。それも過去最高レベルで。
続々と更新していく過去最安値は下げ止まりを知らず、この記事を執筆している時点でトルコリラ円は8.2円まで下落しています(下げ過ぎぃ!)。
この記事では、トルコリラ円の今後の見通しについて、堅苦しくなく、有識者でなくてもわかるような表現でまとめています。
トルコはこの時期、「砂糖祭」の真っ最中!
「砂糖祭」って何?
せっかくトルコリラに投資をしているのだから、多少はトルコのことを知っておきたいですよね。
ということで、今回はトルコの「砂糖祭」についてご紹介しましょう。(チャートから目を背けながら)
トルコでは、毎年一度、ラマダンと呼ばれる1ヶ月程度の断食期間があります。1か月断食!と言っても、全く飲まず食わずというのは無理な話なので、夜明けから日没まで断食するそうです。日が落ちている間であれば飲み食いOKってことですね。
ちなみに、ラマダンの間は、食事だけでなく水もダメ、タバコやコーヒーなどの嗜好品もダメ、口の中に湧く唾ですら意識的に飲み込むことはダメだそうだから驚き。
基本的には禁欲ということで、ありとあらゆる欲というものを捨て去らないとならないそうです。
スワップ投資を狙っていたくせに、いつの間にか為替損益まで求めている強欲なそこのアナタ、気持ちはわかります。私と一緒にラマダンしませんか。
で、そんなラマダンの後に3日間開催されるのが「砂糖祭」です。もう欲を開放して甘いもの食いまくろうぜ!!!ってノリのお祭りだそうです。
砂糖祭は、日本でいうお盆やお正月にあたるそうで、子供たちはプレゼントをもらってフィーバーするし、長期休暇で旅行に行ったりするし、家族で過ごすために帰省したりするしで、この砂糖祭を含む連休は、とにかくトルコ的には大きなお祭りの季節になっています。
トルコリラ円は年初来最安値
そんなお祭りが始まった13日、トルコリラは大幅下落しました。
トルコリラ円は12.80円台まで下落し、年初来再安値を更新。最近は新興国通貨が軒並み好調なのに、トルコリラだけはオリジナリティー溢れた動きでさすがの下落っぷりを見せております。
いつもの通り、エルドアン大統領の圧力によりトルコ中銀が動けないことを嫌気した売りによる下げですが、トルコが祝日で取引量が少なかったことで、大きな値動きにつながったようです。この時期までトルコリラを握っている投資家で、今更トルコの政治情勢に嫌気して投げ売る勢力は少ない気もしますが。。。
パレスチナ情勢も緊迫化
イスラエル軍とパレスチナのイスラム教組織との交戦が激化している中、エルドアン大統領はイスラエルによるパレスチナ攻撃を阻止するため、ローマ教皇の協力を求めたとのことです。
エルドアン大統領だけでなく、シェントプ・トルコ大国民議会議長も「イスラエルとパレスチナに対する国連の呼びかけは不十分である」との見解を示し、トルコ政権全体がイスラエル・パレスチナ間の停戦を訴えていますが、緊迫した状況は続いており、トルコへの影響不安も引き続いています。
今後の見通し
そんなわけで、現状、あらゆる面からトルコの上昇理由が見当たりません。
目先の見通しとしては、過去最安値となる12.124円。ここを抜けたら12円割れは簡単にいきそうです。今か今かと下げるタイミングを見計らっている感じですが、トリガーがあるとしたら、トルコ中銀の利下げタイミングになるでしょう。
逆にトルコリラ円が上がるとするならば、次回の政策会合で金利が利上げとなることです。ただし、可能性は少ないでしょう。